カラフル アクアリウム

メーカー eufonie
主人公・遠城寺一臣は、海外出張中の両親と家にいつかない姉を持つ男の子。

ほとんど家族が家にいない為、一人暮らしにも均しい生活を送るものの、世話焼きの幼なじみ、椎葉泉の存在もあって、さほどの不自由もなく、平和ながらも退屈な学園生活を送っていた。

しかし、そんな彼の前にある日突然現れた、ひとりの少女アリサ・エクスレバン…彼女は小さな頃、海外に引っ越していった一臣と泉、共通の幼なじみ。およそ10年ぶりの再会はしかし、しんみりムードとは無縁。カスミ・ラオシャン、トーコ・フェラレーレ・タツミ。ふたりのメイドを従えて現れたアリサはなんと「しばらく、一臣の家に住む」との仰天発言。

一臣の父親の了承は得たとして(一臣の意志は無視、の意)、強引に一臣邸の一角を占拠。ひとつ屋根の下、一臣とアリサ、お付きのメイド2人…男女比率の壊れた共同生活が始まってしまう…。

突然の成り行きに穏やかではないのは泉。一つ屋根の下、若い男女に何か間違いがあってはとばかりに、何かとかを顔を出して、あれやこれやと以前にも増して世話を焼きたがり、一方のアリサも仲睦まじい(と見えるらしい)泉と一臣の仲をを勘繰り、対抗意識を燃やしたり。

ただでさえ針のむしろに似た立場…加えて、日本に不慣れで納得するのはどうにも難しい、度を越したアリサ達ご一行の常識外れの行動に振り回され、一転、気が休まる間なくなる一臣。

なぜこちらに来たのか?今はどんな生活をしているのか?当然の質問をことごとくにごす、隠し事だらけのアリサ。そんな態度に戸惑いつつも、どこかでは懐かしい幼なじみとの時間に安らぎを感じてしまう一臣。

長い時を越えて再び動き出した幼なじみ3人の時間は、どのような軌跡をたどるのか。

(公式より抜粋)

キャラ別紹介においてネタバレを含んでおりますのでご注意ください。

まずシナリオでは各キャラの個性がよく出ており、キャラ同士のドタバタした日常の描写の掛け合いというものが見ていても楽しいです。個別ルートに入ってもからもヒロインと主人公の2人だけしか出てこないというわけでもなく、キャラの魅力というものが最後までよく出ていたと思いましたね。
また個別ルートにおける各キャラごとにおけるそれぞれの思いや葛藤もルート次第ではよくできていたと思いましたね。
演出面においても立ち絵や表情の種類が豊富であったり、他にも立ち絵を見ていても飽きないような工夫がされていましたので、見ていて面白くできていました。

ただ個別ルートに入ってからの主人公の鈍感さや、全体を通してのアリサの我侭ぐあい、全体を通してのシナリオの長さなどは好き嫌いを選ぶものになっているように感じましたね。
実際個別ルートが長いというわけではなく、共通パートが中途半端に入り混じっているといった感じでしょうか。文化祭イベントなどでは、一緒に見て回るヒロインが異なっていたり、泉とアリサが喧嘩するといったものも助けを求めるキャラが異なっていたりと、ちょっとした差異があるもののほぼ共通しているといった感じのものが多く用意されているためにやけに長く感じます。
そして主人公は、個別ルートに入ってからの主人公の鈍感さや悩んでいる様子はシナリオの長さというものも合い間って、かなりの苛立ちを覚える程度となっているように感じましたね。
最後にアリサは我侭なお嬢様という設定になっているのですが、我侭を通して周りに迷惑をかけ、それの処理に走る各キャラというものと、他のキャラをけなすものが多くなっています。後者のキャラをけなすものというものではアリサの我侭さが嫌いになる恐れもあるように感じましたね。またその我侭は共通ルート、他キャラの個別ルート両方に及ぶものとなっているものとなっているのも…。泉が作ったご飯を「まずい」と一蹴するといったアリサの行動などは、泉好きな私からしたらかなりありえない行動でしたしね。
まぁアリサルートやトウコルートではアリサのかわいさや優しさを見ることが出来るのですが、最初に泉ルートをやったなら…。
アリサのキャラを受け入れられ、全体の長さにだれないのであればこの作品は十分に楽しめると思いますね。ただ全部のキャラが魅力的に作られているためにだれても攻略はがんばってほしいところです。
他に気になったな点はセーブ、ロード画面に移動するのが妙に長かったのが気がかりでしたね。まぁ別に悪い印象はありませんでしたが。

またもったいなかったと思ったのは攻略非対応キャラである魅力的であったということですかね。キャラ別紹介にて主人公の姉以外である衛以外の非攻略可能キャラ名などは書いてはいますが、特に衛はキャラ自体が相当濃いにもかかわらず何で出てきたの?と思わせるようなぐらいにしか話に関わってこなかったりとなっていたのがもったいなかったと思いましたね。
…というか衛って出てこなくても話はスムーズに進むんじゃないのかな…。まぁ一応はアリサルートで主人公へ自分の無力さというもの教えるためには重要でしたが。

絵では最初にも書いたように立ち絵や表情の種類が豊富であり、コロコロ変わるので見ていても楽しくできていましたよ。CGの枚数はシナリオの長さからしたらやや少なく感じはしましたが、一枚一枚は綺麗に仕上がっていました。

音楽では…
最高!の一言。なんていうかツボに入りましたよ。典型的な萌えゲーソングと言ったところですがなぜかツボりましたよ。ムービーも用意されているのですが別に良くも悪くもないといった出来。

Hシーンでは各キャラ最低3回づつ用意されており、メインヒロインである泉とアリサは4〜5回になっており若干多くなっています。ただ…
そんなにエロくは感じませんでしたね。テキストが普通過ぎる、萌え絵であるのでエロさはそこまでないように感じたといった感じでしょうか。まぁエロさなんて主観的なものが大きいのでなんともいえませんが。

今作が処女作とは思えないほどの出来である作品。誤字は多少あるもののバグ等は見当たらず、またシナリオ面でも萌えゲーではありえないテキスト量など、最近よくあるバグがあっても発売するような悪質メーカーではない近年稀に見る良質メーカーになってくれるのではないでしょうか。今後の作品にも期待できるメーカーだと思います。




キャラ別紹介

・泉…主人公の幼なじみの一人。健気で主人公で尽くしているというところで萌えるのですが、一人で暴走したり、どもったりして、やきもちを焼いている様子にもかなり萌えさせてもらいましたよ。
このルートではアリサを含めた幼なじみの三角関係というものを描こうとしているようには思えましたね。主人公と恋人関係でありながらも、アリサを含めた幼なじみという関係を守りたいとも思っている泉の葛藤はよく描けていたように感じましたね。最後には昔のような幼なじみという関係を取り戻したのですが、主人公が泉と付き合っているということをアリサに言ったっけな〜とは思いましたね。
ただ…このルートでのアリサの印象派最低でしたね。アリサが主人公を好きなのは見ていても分かるのですが、泉と仲良くしているからといって泉に切れたり我侭を言う姿は見ていて痛々しく、なおかつ鬱陶しく感じましたしね…。泉ファンとしてはこのルートのアリサは最低という印象を受けましたよ('A`)
ちなみにこのルートではアクアというものが関係してきているが泉ルートは関係はほとんどありませんでしたよ。

・アリサ…このルートではひたすらアリサに萌えましたね(ぉ
アリサの我侭は主人公を信頼、愛情というものがあるからこそ我侭でいるんだな〜と思いましたね。自分のことを分かってくれているという信頼がありアリサは我侭を言っていた分けですが、その事を主人公が理解し受け入れて結ばれる様子はよかったです。
ただこのルートの主人公はアリサよりも子供じみてます。アリサは心に反して別れるという自分の意思で行動を取っているにもかかわらず、主人公は現実というものを冷めた目で見ることによって絶望感に浸ったような態度を取ったりしてますしね。やたらヘタレに感じましたよ。

・カスミ…健気で一生懸命なドジっこなアリサのメイド。カスミの一生懸命さというところに惹かれていき、惹かれあっていく様子はよくできていたのではないでしょうか。そしてアクアに帰るという事が決まり、カスミは主人公と一緒にいるために地上に残るということ発言しホームレス状態になったりします。だがそのまま逃げ続けるけ、アリサ達と離別したままにしていると一生懸命であるカスミらしさというものがなくなるのではないか?という疑問を抱き、そんな自分にはなりたくないということでアリサ達に分かってもらえるために一生懸命になるという、逃げなくなるカスミの成長という面もよくできていました。
ただ…このルートでもやはりアリサがかなり嫌なやつになってしまっています。「カスミは自分の家臣だから、家臣のものである主人公は自分のもの」と発言したり、主人公とは仲良くなるなと事前に言っていたりとどう考えても嫌なやつにしか見えませんでしたね。まぁ最終的にはカスミと主人公の仲を認めますが自分の家臣だから主人公は〜という発言がなかったらアリサは嫌なやつにはならなかったのになぁ…。

・トウコ…無口で天才発明家なアリサのメイド。実は地上から来たという事実があり地上での名前は辰巳冬子。彼女のルートではいたって普通な萌えゲー展開というのでしょうか、付き合う→問題発生→解決というような流れになっていましたね。主人公のどこに惹かれたかというものがよく分からなかったりと微妙な感じがしましたね。ただこのルートではアリサのキャラが断然違うのがよかったです。
このルートでのアリサは普通にいいやつです。トウコと主人公の関係が分かると、主人公を好きでいるが自らは身を引くという他ルートでは考えられないような行動を取ります。またアクアに戻る際にはトウコが実は地上の住人であったという事実、主人公との関係といったようなことを考慮して地上に残れと言ったり、このルートでアリサが相手のことを思いやることが出来るいいやつと感じましたね。ただその優しさをカスミルートで見せてあげてほしかった…。

・神林 美羽…主人公達の通っている学校の生徒会長。何で先輩に惹かれていったのかがよく分からなかったのがこのルートなんですよね…。父親を好いているが、突然失踪したということで相手を嫌うという逃げの行動を取るようにしていたが、それは自分の弱さから目をそらしているということを分かり、その弱さを受け入れるようになり支えあっていこうと主人公に説得される〜みたいな話になってますね。
なんていうか典型的な萌えゲーのパターンの様に感じましたね。ただなぜ好きなったかという点を除いてはおかしな点もなく出来ていたと思います。まぁなぜ好きになったが一番重要なんですけどね…。
またこのルートでのアリサもやや嫌なやつです。

・マーベリック…アクアから来た刺客の一人。キャラ自体はおもしろく出来ているとおもいましたが、攻略できないために勿体ないなぁと思ったキャラ。

・カペラ…アクアから来た刺客の一人。マーガレットと同じ。

・タートル…スネ夫。これは攻略できませんがスネ夫です。スネ夫と言いたかっただけですだけでした(ぉ

補足説明(一応見えにくくはしてます)
アクア…アリサ達が住んでる海底世界。技術がやたら進んでるとかで昔アリサが地上にいたのは実験的要素とかを含んでいたとか。

シナリオ CG 音楽 Hシーン 私的満足度 総合
20 25 25 15 A 85