おねがい♪ご主人さまっ!

メーカー abelia
ある日、祖父の残した館を相続する事になった主人公:三条 朔。古ぼけた館だが、いい感じだな、と感慨深く見上げるのも束の間。館について来た祖父付きのメイドから、想像を絶する話をされる。

『ご主人様、侍女法をご存知ですか?館を相続するには、その館の規模に合わせて侍女を雇わなければいけません。この屋敷の規模ですと、同居型のメイドであと5人は必要ですね。その人数が居なければ、侍女法に則り、ご主人様は罰せられます。』

侍女=メイドさんかよ…

確かにメイドは好きだが、いきなりだな。しかも募集日数が短い…
よー、適当に募集&勧誘だ!!…だが、そこに集まってきたメイドは、個性豊かなメイドばかりだった…

廃棄されていたメイドロボ、幼なじみ(しかも魔法使いだぁ?!)封印されていた悪魔…どうなっているんだ…

なんでもアリかよ!この世界!

(公式より抜粋)

キャラ別紹介にてネタバレをしているのでご注意ください。

本来は抜きゲーとして作ったと思われる作品なのでかなりエロく作られています。しかし、単にエロに走るだけでなくシナリオゲーとしても楽しめるものとなっていました。
早速そのシナリオではキャラの個性というものがバラバラなために、どのルートにおいてもキャラの持ち味というものを生かせており楽しく出来ていましたよ。また全体的に伏線の張り方というものにおいてはすごいよく出来ています。やや強引な所は見受けられるものもありましたが、複数の伏線を張り、それら全てが一つの結論に導かれているようになっていたり(特に弥生ルート)と最後まで進めたときにわかる事実を知ったときの驚きは、かなりのレベルの高さではないかと思いましたね。またエロ方面でもメイドと主人の契りとして主人に放尿しているところを見せるなど、エロさと笑いも取れていたのではないでしょうか。

ただ基本的な会話としては主人公と特定のヒロインという感じになっているために、キャラどうしの掛け合いというものが非常に少ないように感じましたね。掛け合いがあるといっても共通ルートのみでの話しだし、その会話もたいしたものではないものとなっていましたし。個性あるキャラを作ったのであればキャラどうしの掛け合いというものを多くして、それを面白く描写してくれるとうれしかったんですけどねぇ…。
また説明不足、無理矢理なキャラ設定などが目立ちましたね。世界観がよく分からないまま話が進められていっているというのもどうかと思いましたね。特にティアールートでは世界観の説明がないと話についていけない、どうしてそうなったのかがさっぱり分からないといった事態になったりしましたしね。特にメイド服を着たおっさんがいるのですが、ルートによっては全くと言っていいほど違う人ではないかと思ったりというような事態にもなり世界観以前になんだこれ?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。というかおっさん何者だよ…。
そして私的に一番気になったのは、プロローグにて主人公が語っている「家」というものを持つ事に強く執着心があるとのことなのですがその理由が不明のまま終わってりしていたのもどうかな〜といった点ですね。心が壊れていた主人公が家などに執着する理由というものが見当たらないし、その理由が描かれていないのが妙に気がかりでしたね。

またもったいなかった点としては、この作品にはオカマキャラというものが存在しているのですが、そのキャラは全くといっていいほどどうでもいいキャラとして扱われていたのももったいなかったことですね。話の進行からしても重要と言えるようなことをしているとは言いがたいキャラですし、普通の女キャラとして出してあげてよかったんじゃないかな〜と思いましたよ。
他にも攻略不可能なキャラがいる、シナリオが強引に終わらせたルートがある、などが気になりましたね。まぁそこらへんはキャラ別紹介にて…。

絵に関しては立ち絵はバリエーションが少なく、イベントCGに比べると物足りないな〜という感じですかね。ただイベントCGの質の高さはエロく綺麗にできていたのではないでしょうか。また放尿プレイが多く作られているのも見ものですね。HCGの半分以上に放尿シーンがありましたし、放尿プレイというものを楽しむという目的でこの作品が作られたようにも感じました。放尿の事をCC(シーシー)と遠まわしに表現していたのもおもしろかったですし。

音楽に関してはOP曲とムービー、その他BGMとなっていますがBGMの選曲はキャラによく合っていたように感じましたね。ムービーとOPに関しては普通かな〜と言ったところでした。

肝心のHシーンでは1キャラにつき13〜14個(+複数Hなど)の回想があるのですが、放尿シーンが半分を占めています。ちなみにここでの放尿シーンとはホントに放尿するだけのシーンということです。それだけ尿に力を入れているということが分かりますよ(ぉ
残りの本番のHシーンでもエロさは十分あり、マニアックとも捕らえられるようなシチュエーションの多さ、尺の長さなども十分なので実用的であると思いますね。

放尿プレイ中心の抜きゲーだと思わせてシナリオでも意外と楽しめた作品。ただ話が練りこまれたルートはそんなに多くはなく、攻略順序をある程度守らないとわけが分からなくなるのは必須ではないかな〜と思いましたね。また弥生ルートの伏線はかなりの見ものではないでしょうか。他ルートがいまいちなのが多いからなぁ…。まぁ抜きゲーというジャンルだけで縛られないのはよいことだとはおもいますけどね。
ちなみに今作はこのメーカーの処女作ということなのですが、処女作としては今後に期待できる作品であるようには感じましたよ。

ちなみに攻略順番は沙莉那→ティアーの順番だけは守ったほうがいいかもしれません。逆だとティアールートにてメイドおっさんと沙莉那の話がグダグダにしか見えないという自体に陥りましたので…。




キャラ別紹介

・弥生…主人公の幼なじみ。彼女が主人公に好意を抱いているというのは分かるような行動は彼女らしさというものがよく出ていたような気がしましたね。話の流れとしては主人公がメイドとして雇っていたが、メイドとして名門である家の養子であるということが分かり、政治家にメイドとして雇われるようになったところを主人公が助けて結ばれる〜と言った感じですかね。
唯一真面目な恋愛描写が描かれていたのではないでしょうか。弥生が主人公のことを好いているのは見るからに明らかですし、主人公が惹かれたところも一番分かりやすかったですし。
このルートでは弥生は実は主人公の姉であるということが判明します。その事実が判明するまでに用いられた伏線はすごいです。何気ない日常会話の一部、弥生が持っていた指輪と主人公の指輪、弥生の体に刻み込まれていた刻印、弥生と主人公の付けられた名前の由来などさまざまに混じりあった伏線を張り、弥生が姉であるという事実に持っていった流れはホントよかったです。見ていて「そうだったのか!」と驚きましたよ。

・えらん…悪魔でロリキャラ。
このルートでは主人公の記憶に出てくる、火事の思い出での立ち尽くす誰かというのがえらんだと判明します。このルートでも伏線の張り方はよかったですね。このルートでおっさんメイドが主人公を知っていることを前提に話しが進んでおり、また鹿目さんが天使であるというよく分からないような急展開になっているのには唖然としましたね。突発的過ぎてついて行けないというのがありましたがこのルートではまだ許容できる範囲ではないでしょうか(ぉ
ティアールートの展開の方がめちゃくちゃ過ぎるのでこのルートなんてかわいく見えるんですよ…。

・沙莉那…ロボットでドジキャラ。主人公がいつ好きになっていったのかがさっぱり分からないキャラでしたね。またスパタというロボットキャラが出てきて戦闘を繰り広げます。正直言ってつまらないの一言に尽きます。

・ティアー…ツンデレキャラ。このルートでは作りが適当であり、さらに強引に終わらせられたような印象を受けましたね。謎の黒服集団やメイドのおっさんが中央防衛局という日本政府に所属している軍隊(?)のようなものと言う事が分かり、条約により持つ事を禁止されている機械であるという事実があった沙莉那を捕獲するというのもになっており、伏線も何もなく突然の様に話は進んでいきます。そこでティアーは裏切りものを演じ、主人公を守るためにこのような行動を取ったとのこと…。
どのように主人公が脅されていたのか、最後には勝手にハッピーエンドになるというご都合主義満載であったので正直プレイしたときには呆然としましたね。話だけが一人走りしているものとなっているためにプレイヤーは全くといっていいほどついて行けないのではないでしょうか。他のルートに比べると段違いに見劣りすると思われるルートでした。

・鹿目 静宮…眼鏡を取ると金髪になるというドラゴ○ボールに出てくるくしゃみをしたら姿が変わるキャラを思い出してしまうようなキャラ。なぜか個別ルートが用意されていません。突然天使ということが判明したり、めちゃくちゃな設定と話の持って行きかただったのですが、キャラ自体の魅力は十分にあるために個別ルートも用意してくれてもよかったんじゃないかな〜と思いましたね。

・仏沢 由紀…オカマキャラ。別にオカマキャラじゃなくても良かったんじゃないかと思えるような感じでした。

シナリオ CG 音楽 Hシーン 私的満足度 総合
10 20 15 25 B 70